直線上に配置

2001年8月西表島 サバイバルな沢登り 
浦内川板敷川〜西田川

ルート図

浦内川から軍艦岩まで遊覧船で30分  
 マングローブの林を見ながら進みます。

遊覧船終点の軍艦岩から裏内川沿いに登山道がついています。  

沢に降りて「記念撮影」!行商人のあばちゃんではありません。手ぬぐいとザックが似合う地味〜なただの登山者です。
マリュウドの滝
カンビレーの滝
暑いので一休み

山肌の椰子の木 やっぱり南の島です

板敷川に入ります

「マヤグスクの滝」美しい滝として有名です

この滝の上に洞窟のような ゴルジュが続きます。遊覧船乗り場のおっちゃんに、「今までに何回か登山者が不明になって捜索に入ったことあるから、気をつけて! 島の物は、何でも内地の物より大きいからビックリしないでよ。
ムカデとか(見ました!)、ヒルとかいるし(ひる〜〜〜〜?!)…」オッキーは、すっかりこの時点でびびってます。

血〜吸われたらどないシヨウ〜〜〜

登山道を歩いたり、沢の中を歩いたりしながら、板敷川に入ります。ここからは、本格的に沢歩きです。
川幅いっぱいの滑滝があったり、けっこうきれいな沢です。
そして、 「マヤグスクの滝」 滝の上の高い岩壁に囲まれた「入り口」から、豊富な水が流れ出て、それが扇状に広がっています。
美しさで非常に有名な滝です。
オッキーとトーマス(連れ合い)は、滝を登って、「入り口」に入って行きます。
ロープを付けて、トーマスが行きます。「入り口」の奥は、3〜4bの「ゴルジュ」が続き、その奥に、もうひとつ滝があります。
高さ、4bくらいでしょうか。ものスゴイ勢いで水が落ちています。
トーマスは上手に登っていきます。トーマス、えらい!トーマスが滝を登り切り、セカンドでオッキーが行きます。ゴルジュそのものが、全く足がつきません。水に浮かびながら、滝の勢いに押されながら岩壁の岩をつかんで進んでいきます。
滝登りは、窒息するかと思うくらいのシャワークライミングです。オッキーが、リードしていたら、勢いに押しもどされて落ちていたと思います。すんっごい、ゴルジュの突破になりました
。いままで経験したなかで、一番の厳しいシャワークライミングでした。

ゴルジュを終了して、トーマスが、ちょいと用を足しに…はしたなくも、ズボンを上げながら歩いてきたトーマスのお腹に、なにやら黒いテン…ん〜〜なんだ〜〜?    アワワワ  「ヒル」でした

ゴルジュを抜けてから、きれいな沢を進みますが、そのうち少しづつ、きれいな沢は、汚い沢へと変貌していきます。
それは、ここでしか言えませんが 「…ドブ…」 のよう… ところが、その 「ドブ」 を避けて進む事は、出来ません。

しかも、胸まで浸からないと 他にはルートはありません。

ギョエー!! こんな「ドブ」で死にたくありましぇーん隊長! 足付きません ! ウブっ…溺れそうです隊長!
目の前に、なにやら怪しい気泡が フツフツ と湧き出てます!
有毒ガスじゃありましぇんか?  ちょい臭います  メタンガスですか? 
火着きますか?ン〜〜〜〜 やっぱり「ドブ」です!!……やれやれ、隊長! 「ドブ」遡行は大変でしたね        
 ちょっと、一休みしましょうか?さて、岩に座ってと……ヌヌヌ …隊長! デカイ生き物が〜〜〜〜 ! 
それは、目の前の沢を横切った物、  直径 10センチは あろうかという長い生き物がうねりながら泳いでいきました。   
あれはなんだ!!「ウッチーです ウッチー発見しました〜」

あんな生き物、北海道の沢で見たことありません。  本当にあれは なんだったんでしょうか?  
船着場のおっちゃんが言っていたなんでも大きいというのは本当です。 
「ドブ」も「ウッチー」も過ぎて、沢の中に手長えびのような川海老を発見しまがら遡行して行きます。
そして、最後の大滝に着きました。これを越えれば、今日の遡行は終わり。
テントを張って、沢で一泊です。滝は、直登できません。高巻かなければなりません。
ルートを探しましたが見つからず、明日再度挑戦することにしました
。当初の計画では、焚火して川海老を焼いて食するはずだったのですが、オッキーは、その気力もなく、夕食を食べて そうそうに就寝します。        フーーー疲れましたー   

その日の夜… 
「トーマス隊長〜〜 オッキーは ヤツのことが気になって寝つけましぇん…」ヤツは ひょっとして テントの中にいるのじゃないですか〜〜。そして なんとなく予感がして フクラハギのあたりに手をやると ヌメッとした感触が……ギョエ〜〜〜!! 隊長 手に手に ヌメリ感が!! 起きてくだされ〜〜〜

ヘッドランプを点けて探すと いました!!  銀マットの上に 黒いヤツの姿が…そう ソレは  
「…ヒル…」ウヘ〜〜〜  隊長がテントの外に捨ててくれました。たぶん オッキーの血は ヤツのエサに なりました…ウグググ翌朝 足を調べてみると ン? なんじゃこれは?そこにあったのは 5円玉の穴のような あとが 3ヶ所。ヤツの吸血のあとです 。 しかしながら ヤツの感触を感じることは全くありませんでした。そして3ヶ所もどうやって移動したのでしょうか?尺取虫のような動きでしょうか?  いろいろ想像するだけで 頭の後ろが総毛立ちます。 

テントをたたんで 出発です。前日 越えられなかった大滝は 少し戻ってから小尾根を使って 簡単に越えられました。それからは 源頭を目指して歩きます。   源頭を過ぎてからは ヤブをこいで尾根を越えて 西田川へ下ります。

ヤブをこいでいると 地面に再び ヤツが…  我々の血の臭いでも かぎつけたのか…我々を探しているかのような その動きは まさしく [ミスター NO] タイガーマスク世代なら知っている、あれです。 
不気味!

そうこうするうちに とうとう西田川へ下ります。  地図とコンパスを頼りに方向を決めて進みます。 トーマスは いままでの登山人生で もっとも 完璧な地図読みだったと言っています。
西田川に 入ってからは 巨岩をただひたすら 越えて下ります。  

西田川も3分の2も来た頃 ヨッコラッショと岩を越えて下りた足元に、今度は「亀」
天然記念物の野生の「セマルハコガメ」です。 その辺を歩いているという情報は本当でした。隊長に知らせると 亀好きのトーマスは 小躍りして喜びました。連れて帰ると言い張りましたが、見つかれば即逮捕です。なんせ天然記念物ですから。それだけは、ヤメナハレと諦めさせました。

それから しばらく歩くと 人の声がします。「サンガラの滝」で地元の人が遊んでしました。やっと「人」に会いました 。 ホッとしました。 西田川の川岸のマングローブの林は、海が干潮になると川の水が引いて普通に歩けるようになります。そこを歩いて車道に出るつもりで進んでいきます。ところが『ガーン!!』干潮になりきらず水没したままです。どうしよう!!そこにカヌーのガイドさんがお客さんを連れて、ドンブラコドンブラコと絶妙のタイミングで下流からやってきました。呼び止めて事情を話と、地元の人は親切です。  地元民しか知らない山間の道を教えてくれました。途切れがちな道を探しつつ30分くらい進みとうとうパイナップル農家に着きました。。 小さなフルーツショップもやっていてパイナップルジュースを頼みました。

大冒険をやり遂げた充実感と生還した安堵感でそのフレッシュジュースは、実に実に美味しく、あんなに美味しいジュースは飲んだことありません。
やっと まる二日間の 大・大・大自然の沢登りは 終了したのでした。       
おしまい



直線上に配置
inserted by FC2 system